東京都選定歴史的建造物近三ビ…Case Study

P・C・Gテクニカの施工事例

P・C・Gテクニカの施工事例

ビル・マンションの給水管・排水管の更生工事を手がけるスペシャリスト「株式会社P・C・Gテクニカ」が当社の施工事例の詳細情報です。
当社では、「FRPライニング」をはじめ数々の特許技術を駆使し、給排水管の種類や状況に応じて最適な施工プランをご提案できます。こちらでは、P・C・Gテクニカのこうした柔軟な対応力、施工品質をご確認いただけます。ビル・マンションの給水管・排水管の更生工事のことなら、P・C・Gテクニカにお気軽にご相談ください。

東京都選定歴史的建造物近三ビルディング

施工年月 2005年2月
地域 東京都
工法 P・C・Gマルチライナー工法(FRPライニング)
After
東京都選定歴史的建造物近三ビルディング
東京都選定歴史的建造物近三ビルディング
東京都選定歴史的建造物近三ビルディング
東京都選定歴史的建造物近三ビルディング
施工のポイント

東京都選定歴史的建造物近三ビルディング、築74年(施工時)。配管が躯体の中にあり取り替えが難しい為、当社のFRP等イニングにて施工させていただきました。。年数が経っている為腐食が激しく大きな穴も開いていましたが写真のように穴を塞ぎ再生することができました。

お客様の声

近三ビルは1931年(昭和6年)に竣工しました。数多くの近代建築の名作を生み出した建築家、村野藤吾先生が設計事務所独立後、初めて設計した建物です。平成6年にBELCA賞、平成15年に建築家の国際組織 DOCOMOMO Japanから「日本のモダン・ムーブメント百選」に選ばれました。また、平成11年には東京都の選定する歴史的建造物にも指定されています。当初は1、2階が森五商店という呉服屋の店舗として、3階から上はテナントビルとして使われました。その後、時を経て、総合テナントビルとして活躍しています。

 ビルは建てたときがいちばんのピークであり、その瞬間から後退が始まります。適切な修繕によって後退は食い止められますが、我々はテナントのニーズにこたえるという使命がありますから、絶えず挑戦が必要です。その挑戦というのは、五度にわたる増築、リニューアル、耐震改修工事です。近三ビルは人間で言えば、70歳を越しています。しかし、私たちはあと15年、20年もてばいいとは思ってはおらず、村野藤吾先生の遺志を継いで、まだまだ長持ちさせたいと思っています。そのために中途半端な修理をするつもりはありません。雨水管(ルーフドレン)の更生工事も、そんな信念からP・C・Gテクニカさんにお願いしたのです。

 最初に起きた漏水は水漏れなのか、結露なのかわからない程度でしたが、2003年2月頃、漏水が発生し、地下テナントルームに被害が出ました。調べていくうちに、それが水漏れであり、雨水管からだとわかりました。 2004年1月には漏水に対する応急措置を行い、堆積物がたまった道路側排水横管、横引き管から堆積物を除去し、縦管の補強や横引き管のリニューアルを行いました。ところが、水漏れは止まりませんでした。

 近三ビルにおける雨水管の問題点と課題を、当時の資料から書き出してみます。

① 当ビルの雨水管は、建物の躯体内に内蔵されている

② 一部は鉄筋コンクリートの柱の中に入っている

③ 根幹部分で築70年以上、増築部でもすでに築40年以上が経過

④ 漏水事故が発生していない箇所も、同程度の腐食が推定される

⑤ 雨水管を引きなおす場合には、外部露出となる

⑥ 当初のデザインを保ちながらの雨水管更生が課題である

最初は全部取り替えてしまう方法も考えましたが、雨水管が部屋の中に出てしまえば、各テナントのオフィスとしての機能を損ないます。ビルの表に出てしまえば、歴史的建造物の指定までしていただいたイメージもこわれてしまいます。そのためにも、やはり、今の形のままで改修を続けたいと思いました。時間はありませんでした。水が漏れてしまって、もしその近くに鉄筋があれば、鉄筋が錆びはじめてしまいます。すると、爆裂状態になり、体積が増えてコンクリートが割れてしまうのです。こうなってしまったら、あわててメンテナンスをしたところでダメですから、早く直す必要がありました。

 そんなとき、ちょうどP・C・Gテクニカさんが東京ビッグサイトで展示会をしておれらました。そのデモを見たときに、「こんなかたちで工事ができれば、いいのではないか」と思い、2004年12月、さっそく大阪のある現場を見学させていただきました。そこは、1階が飲食店という、いわゆる下駄履きマンションの雨水管更生工事でした。工法に基づく作業の段取りが手際よく進んでいくのが印象的でした。また、作業する環境がたいへんキレイなのも印象に残りました。このライナー反転工法を目で見てまちがいないと感じた私は、すぐに雨水管更生工事を依頼しました。

 平成17年2月から工事は始まりましたが、見るからに、この仕事はラクじゃないなあ、と感じました。雨水管や排水管のほとんどは、上から下までまっすぐ伸びているわけではありません。実際、近三ビルでも管の径が途中でいったん漏斗のように細くなり、そこからまた太い管につながっている箇所もありました。洗浄のときには、多少セーブして圧力をかけたようです

が、実際には管がもろくなっていたので、はじけてしまい、まわりがよごれた箇所もありました。こういうのを見ると、力の加減がとてもむずかしい工事だと感じますね。また、建設施工中の段階で起きた問題だと思いますが、雨水管のなかにコンクリートがとび出しているものまでありました。幸運なことに、そこで水漏れは起きていませんでした。

 このような工事は一筋縄ではいかなくてふつうです。何ヶ所かは、必ず苦労されると思いますし、多少のトラブルもあります。しかし、P・C・Gテクニカさんは、工事の状況が変ると、まったく違う工具を取り出してきて、このケースにはこうしよう、と臨機応変に対応していました。最初は作業に時間がかかりますが、くりかえし作業だからでしょうか、同じ現場でも何系統目かになると作業員の方も慣れてきて、時間が早くなりますね。見ていると、素材であるエポキシ樹脂のムダもほとんどなく、すごいなと感心しました。TVカメラで見ながら、「今、10メートルまで来ている」と確認したり、手術のようにライナーを引っ張ってみたりするわけですが、自分の手でやるのとはちがいますから、熟練した職人技でなければできないでしょうね。

 工事から1年後、耐震工事を行ったときに、壁の一部をこわしました。ちょうどその時、雨水管の漏水箇所のパイプが顔を出しました。そこで改めて、「ああ、こんなに大きな口が開いていたのか」という衝撃と、「それでもきちんと直っている!」という事実を確認できました。すぐに写真を撮って、P・C・Gテクニカさんにも1枚お送りしました。

 一昨年には、別の雨水管の予防措置としてFRPライニングによる更生工事をふたたびお願いしました。まだ宿題が2本残っていますから、これも近々、やってもらうつもりです。P・C・Gテクニカさんとは、もう何年ものおつき合いになりますが、これまで「お手上げです」という言葉を聞いたことがありません。たいへんな工事でもなんとか乗り切ってしまうのは、新しい器具などを積極的に開発し、技術の向上にも熱心だからでしょう。ここまでくるのには、おそらくかなり苦労されたでしょう。こういうことは現場がいちばんの経験になりますから、やはり、お客さんといっしょになって、ひとつずつ乗り越えてこられたということでしょう。それでノウハウが積み上がってきているのだと思います。

 お客さんとしては、自分たちが生活する場ですから、短時間に手早く工事をしてもらわなければ困りますが、先ほども言いましたが、配管というのは一筋縄ではいきません。これだけの体制を整えているP・C・Gテクニカさんでさえ、苦労はつきないと思います。ですから、お客さんは時間の遅れや思いがけないトラブルなどの困難があっても、協力していっしょに乗り切る気持ちが必要でしょうね。P・C・Gテクニカさんなら、必ずやりとげてくれますから。

工夫は無限です。大企業もその積み上げで大きくなりました。

これからまだまだ工夫に工夫を重ねて、チャレンジを続けてください。期待しています。